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7月9日、極めて勢力の強い大型の台風1号が中国福建省に上陸し、暴風雨による洪水を引き起こした。最も甚大な被害を受けたのは閩清県坂東鎮で、死傷者の数は未だ不明。だが地元政府は死亡者10人、行方不明者11人と、虚偽の発表を行ったため、住民らの怒りをあおっている。

 実際の死者は数百人か

 12日、米国営放送ボイス・オブ・アメリカが閩清県の住民に対し取材を行ったところ、ある住民は知り合いの中だけでも、分かっているだけで10人以上が死亡したと語っている。政府当局は死亡者の遺体を発見次第、火葬場に送っており、実際の死傷者は数百人に上ると見られている。

 別の被災者によると、坂東鎮では橋げたや樹木の枝など、あちこちに洪水で流された人の遺体が架かっているが、地元政府の発表した死亡者数は明らかにおかしいという。

あるネットユーザーは「私の彼は今、災害ボランティアに出ている。実際の死亡者数は数百人どころではなく、彼によると、この2日間、火葬場には大型トラックに乗せられた相当数の遺体が、ひっきりなしに運び込まれている。閩清池園鎮の住民である火葬場職員が彼にこっそりと、この2日間で700~800人の身元不明の遺体を焼いたと教えてくれた。運び込まれた遺体は、死亡者ではなく全て行方不明者として処理されており、遺体の身元確認作業に入ることは許されていない。とにかく休むことなく焼き続けている」と現地の様子を明らかにした。

 陳と名乗る人物は、当局は事実を隠し続けていると指摘している。ダムの放水を行っていなかったと言い張っているが、豪雨による水かさならじわじわと上昇するものだが、急に流れてこないはずだ。今回の災害は天災と人災のどちらなのかと、陳氏は疑問を投げかけている。

7月9日には早くも、あるネットユーザーがミニブログ微博(ウェイボー)に、閩清のダムから放水の可能性があると投稿し、付近住民に対し、高所へ避難するよう呼びかけた。中新網も同様なことを報道した。だが、当局は今回の放水計画を隠匿して何の警報も出さず、洪水対策の準備も呼びかけなかったため、閩清の住民は何も知らずにいつも通りの一日を送っていた。洪水が迫ってきたときたった一時間で水位が建物の一階まで上昇し、多くの人が逃げ遅れてしまった。

 地元住民の蔡さんは、2階から洪水が迫ってくるのを見て、世界の終わりが来たと思ったという。押し寄せた洪水が路上や建物の一階にいた人たちを飲み込み、車や家屋も押し流してしまった。

 ある被災者は、今回の災害が人災だということを閩清の人全員が知っていると、当局に対する怒りをあらわにした。

 坂東鎮は今全面封鎖されて、一般市民が町の外に出られないし、救助隊の人も町に入る前に携帯を没収されてしまうという。

http://www.epochtimes.jp/2016/07/25915.html