この記事は336で読めます。

シュタインズゲートゼロが発売されました。

前作があまりに衝撃的だったため、前作と比較すると・・・という声もちらほら。

前作が好きだから好きという人と、前作がすきだからこそイマイチという感じのようです。

期待はずれ
伏線の部分は従来の科学ADV同様、興味を引くものばかりでゾクゾクしました。
でも伏線回収の部分はあっさりしてたり、回収自体しなかったりとイマイチ。
つまり、序盤・中盤はワクワクしましたが終盤は肩透かしでした。

前作(シュタゲ本編)はすっきり伏線回収していたし、突っ込みどころがあっても
「こまけぇこたぁいいんだよ!」と思わせてしまう強いドラマ性がありました。
今作にはそれが足りないです。やっぱり、前作の面白さは偶然だったのかなぁと思ってしまいます。

 

執念オカリンに至る話なのだけど、最後のルートはものすごくあっさり終わって、あれ?って感じです。
まあ無印ラストに到達するのだから尻切れは仕方ないのかもだけど、なんかやり遂げた感がない。
あとから知ったけど、小説版とかドラマCD版とかのキャラやシナリオも含まれてるようで。
それでこの内容だと腹8分目どころか5分って感じですよ。小説読んでれば違うのだろうか。

ファンディスク感は拭えないのが悲しい

初代の素晴らしい伏線回収を忘れてしまったかのようなシナリオ展開(明言なしのまま終わった疑問点が多数あった)よりも、『0』としての物語が収束しないことが、どうにも消化不良に感じる一番の点だった。

 

なかなか楽しめました。
良い点
完全新作を謳ってるだけあり中々のボリュームで読みごたえ抜群です。
トンデモ科学と現実的科学の見事な融合は健在で、科学に明るい方でなければ上手く丸め込まれながらストーリーを楽しむ材料として機能していると感じました。
マルチエンディング採用で、選択次第で大きくエンディングが変わるのも部分的には楽しめました。
新キャラもよく生かされていると思います。
レスキネン教授はお話的にありがちですが好ましいキャラでした。
第三次世界大戦が約束されたβ世界線が舞台なだけあり、現実に似た秋葉原で徐々に戦争の足音が聞こえてくる中、オカリンの葛藤がよく描かれていると思います。

悪い点
良い点にも書いたマルチエンディングですが、大きくストーリーが変わってしまう分岐があり、ボリュームとして捉えれば良い点なのですが、凡庸な読み手としてはかなり混乱をきたしました。
分岐点が明確でない上にジャンプ機能はなく、新たな分岐点を探すには文章スキップしながらセーブ&ロードでしらみ潰しという状況で、上記した選択次第で大きくストーリーが変わる仕様のため、設定が生きなのかどうか判断しながら話を読み進めるのが難しく、プレイ後半は作業感を感じながらのプレイでした。

正当続編? いやそれは違う。これはファンディスクだ
このシュタゲが発表された頃、すごい広告で「シュタゲの正当続編!」と言った感じに宣伝されていたが、はっきり言おう。正当続編ではない。

ではこのシュタゲは何か。それはもうこれは外伝としか言いようがない。
言うなら少し前に出たSTEINS;GATE 線形拘束のフェノグラム と同じような感じのファンディスクと同じだ。

おそらくプレイしてもやもや感が残った人は正式続編と銘打たれてなく、単なる外伝かファンディスクと告げられて発売され、購入していればそのモヤモヤ感はなかったと思われよう。

プレイ感想だが、すごく期待してプレイした人には正直物足りないし、凄まじい肩透かし感が襲ってくると思う。正式続編と言われるほど掘り下げられてはいないのだ。
シュタゲ原作はどんでん返しに次ぐどんでん返しが基本で、凄まじく感動させられたものだがこれは基本的に原作のどんでん返しを前提として薄く押し広げられた出来事を並べている。
外伝としては通じるが、正式続編と銘打ってたら正直これは……。

確かにシュタゲの雰囲気は完全に再現されていてシュタゲなのだが、熱心にシュタゲをプレイしてのめり込んだ人ほどこのゲームをプレイするとかなり落胆すると予想したい。私がそうであったからだ。